支援の質を高める!ショートステイ記録の書き方とポイント

支援の質を高める!ショートステイ記録の書き方とポイント

ショートステイ(短期入所)は、障害のある方やご家族の生活を支える大切な福祉サービスです。支援の質を高めるためには、日々の記録が欠かせません。記録は職員間の情報共有やご家族への説明、トラブル時の証拠、サービスの質向上など多くの役割を担っています。しかし「何を書けばいいのか」「どう書けば伝わるのか」と悩む方も多いのが現実です。本記事では、ショートステイ記録の基本から、現場で役立つ書き方のコツ、制度上のポイント、実際の事例まで、わかりやすく解説します。

記録の役割と重要性

1-1. 記録が支える支援の質

記録は、利用者一人ひとりの状態や支援内容を正確に残すことで、職員間の情報共有やサービスの継続性を支えます。例えば、食事や排泄、入浴、レクリエーションなど日々の生活場面ごとに記録を残すことで、利用者の変化や課題を早期に発見しやすくなります。また、記録はご家族への説明や、ケアプランの見直しにも活用されます。

1-2. 法令・制度上の義務

障害福祉サービスでは、記録の作成・保存が法令で義務付けられています。例えば、サービス提供記録(実績記録表)は、厚生労働省が参考様式を公開しており、保存期間や記載内容も定められています。記録が不十分だと、サービス提供の証明ができず、報酬返還などのリスクもあります。

1-3. トラブル防止と職員を守る役割

事故やクレーム、訴訟など万が一の際、記録は職員や事業所を守る証拠となります。客観的な事実を正確に記載することで、第三者にも状況が伝わりやすくなります。

ショートステイ記録の基本構成と書き方

2-1. 基本は「5W1H」で

記録は「いつ(When)」「どこで(Where)」「誰が(Who)」「何を(What)」「なぜ(Why)」「どのように(How)」を意識して書くことが基本です。例えば「9時にAさんが食堂で朝食を摂取。自力で箸を使い、完食された。食後に『美味しかった』と笑顔で話された。」のように、具体的な状況を簡潔に記載します。

2-2. 客観的事実+必要に応じて主観も

記録は客観的な事実を中心に書きますが、支援者の気づきや評価も必要に応じて加えます。主観的な内容は「~と感じた」「~と思われる」と区別して記載しましょう。

2-3. 誰が読んでもわかる表現を

専門用語や略語はなるべく避け、誰が読んでも理解できる平易な表現を心がけます。曖昧な表現(例:「ほぼ全量摂取」など)は具体的な数値や状況に置き換えましょう。

2-4. テンプレートや記録様式の活用

厚生労働省や自治体が公開している記録様式やテンプレートを活用することで、記載漏れや記録のバラつきを防げます。現場に合った様式を工夫して使いましょう。

現場で役立つ記録のコツと事例

3-1. 日常生活場面ごとの記録例

・食事:摂取量、食事形態、むせ込みの有無、本人の反応など

・排泄:回数、介助の有無、失禁や便秘の状況

・入浴:入浴可否、皮膚状態、本人の意欲や拒否の有無

・レクリエーション:参加状況、表情や発言、他者との交流

3-2. 状況変化や異常時の記録

発熱や転倒、体調不良など異常があった場合は、発生時刻、状況、対応、結果を時系列で記載します。医療機関や家族への連絡内容も明記しましょう。

3-3. チーム連携・引き継ぎに役立つ記録

記録は職員間の引き継ぎや多職種連携にも活用されます。次の担当者がすぐに状況を把握できるよう、簡潔かつ具体的にまとめましょう。

制度・ガイドラインと今後の課題

4-1. 公式ガイドラインの活用

厚生労働省や自治体の公式ガイドラインを参考に、記録の内容や保存方法を確認しましょう。障害福祉サービスの参考様式や記載例も公開されています。

4-2. 電子化・ICT活用の動き

近年は記録の電子化やアプリの導入が進み、業務効率化や情報共有の質向上に役立っています。現場のICT活用事例も増えています。

4-3. 記録の質向上と現場の課題

記録の質を高めるには、日々の振り返りや研修、先輩職員の記録例の共有など、現場全体での取り組みが重要です。一方で、記録負担の増加や人手不足などの課題もあり、効率化と質の両立が求められています。

安心して利用するためのポイント

5-1. 利用前の確認事項

ショートステイ利用前には、施設の記録体制や情報共有方法、緊急時の対応などを確認しましょう。見学や事前相談も活用してください。

5-2. 家族・本人の協力

利用者本人や家族も、体調変化や気になる点があれば早めに施設へ伝えることで、より良い支援につながります。

5-3. 相談窓口の活用

不安や疑問がある場合は、施設の相談窓口や自治体の福祉担当課に相談しましょう。公式情報や最新のガイドラインも積極的に活用してください。

公式情報・外部リンク

厚生労働省 障害福祉サービスの参考様式・テンプレートhttps://fukusi.kabudata-dll.com/teikyokiroku/

かながわ福祉サービス振興会 記録の書き方(PDF)https://www.kanafuku.jp/global-data/user07/20221213095059823.pdf

注意事項

本記事は無断転載不可です。

専門用語はできるだけわかりやすく解説していますが、ご不明な点は公式情報や相談窓口をご参照ください。

特定の団体・個人への批判的な表現は避けています。

※本記事は、編集時点で当社が保有する過去のデータや独自調査に基づいて構成されているため、最新情報と異なる場合がございます。ご利用にあたっては、各市町村最新の発表他の情報源と照らし合わせたうえでご判断ください。

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